新たに発売されたM2チップと、それを搭載したM2 MacBook Air。
ところで、M1チップとM2チップ、今はどっちを買うべきなの?
それすらもよく分からないくらい、Appleシリコンを搭載したMacが増えまくってきました。
この記事では、Appleの発表会WWDCでは相変わらずぼんやりとしか発表されなかったM2チップの性能を中心について深堀りしていきます。
これまでに発売されているM1チップ4種類(M1・M1 PRO・M1 MAX・M1 ULTRA)と、M2チップの性能・スペックを比較します。
この記事の概要
- M2チップとM1チップ、スペックの向上はさほど無い
- 性能の高さなら、M1→M2→M1 PROの順番
- 大体の人はM1 MacBook Airで十分
- デザインが好きならM2 MacBook Airもアリ

結論:M2チップは、M1よりそこまでスペックは高くない
結論から言うと、M2チップの性能はM1チップからさほど高速化していません。
これまでに発売されたM1チップシリーズを、速度の速い順番に羅列するなら下記の通り。
M1・M2チップの速度順
- M1 ULTRAチップ
(Mac Studioに搭載) - M2 MAXチップ
(MacBook Proに搭載) - M2 PROチップ
(MacBook Pro、Mac miniに搭載) - M1 MAXチップ
(MacBook Pro、Mac Studioに搭載) - M1 PROチップ
(MacBook Proに搭載) - M2チップ
(MacBook Airに搭載) - M1チップ
(MacBook Air,Pro、Mac mini、iMacに搭載)
ご覧いただければ分かる通り。
無印M1チップよりは速いけれども、M2チップはM1 PROチップと比較すると遅い。
だからこそM2チップの立ち位置は微妙(差別化されていない)というのがガジェットオタクの個人的な意見ではあります。
まずはM2チップとM1チップシリーズを、それぞれを数値で詳しく比較してみましょう。
追記:M2 PRO・M2 MAXチップ
新たに発表されたのが、M2 PROチップとM2 MAXチップです。
こちらも、数値だけをまとめました。
横長な表で恐縮ですが、これまでのM1・M2シリーズを一覧にしたものが下記。
M1 | M2 | M1 PRO | M2 PRO | M1 MAX | M2 MAX | M1 ULTRA | ||
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大12コア | 最大10コア | 最大12コア | 最大20コア |
シングルスコア | 約1,700 | 約1,899 | 約1,765 | 約2,118 (予想) |
約1,780 | 約2,136 (予想) |
約1,793 | |
マルチスコア | 約7,500 | 約8,845 | 約12,505 | 約15,006 (予想) |
約12,750 | 約15,300 (予想) |
約24,055 | |
M1との比較 | - | 約1.18倍 | 約1.67倍 | 約2.00倍 | 約1.70倍 | 約2.04倍 | 約3.21倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大10コア | 最大16コア | 最大19コア | 最大32コア | 最大38コア | 最大64コア |
スコアOpen CL | 約16,925 | 約27,304 | 約37,618 | 約48,903 (予想) |
約50,021 | 約65,027 (予想) |
約86,223 | |
M1との比較 | - | 約1.61倍 | 約2.22倍 | 約2.89倍 | 約2.96倍 | 約3.84倍 | 約5.09倍 |
一覧にしてみると分かりますが、M2 PRO・M2 MAXで驚異的に変化があったとは思いません。
どれを買っても満足するラインナップ。
MacBook Pro: pic.twitter.com/2G9HRSsNrt
— Basic Apple Guy (@BasicAppleGuy) January 17, 2023
むしろ、無印のM1・M2だけでも、大体の用途は事足りてしまいます。
それ以上のスペックを追い求めても、大体はオーバースペックでしょう。
M2 Pro・M2 Maxチップ搭載MacBook Proについての情報は、下記でまとめました。
高い、いらない、用途が不明。
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【高い、いらない、用途不明】M2 Pro/Max搭載MacBook Proが登場
続きを見る
家電量販店でオバハンがM1 PRO搭載MacBook Proを買ってて、とんでもない世界線に目眩がします。
M1 PRO・M2 PROチップを比較
M2 PROチップは、Mac miniとMacBook Proに新たに搭載されました。
M1 | M2 | M1 PRO | M2 PRO | ||
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大12コア |
シングルスコア | 約1,700 | 約1,899 | 約1,765 | 約2,118 (予想) |
|
マルチスコア | 約7,500 | 約8,845 | 約12,505 | 約15,006 (予想) |
|
M1との比較 | - | 約1.18倍 | 約1.67倍 | 約2.00倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大10コア | 最大16コア | 最大19コア |
スコアOpen CL | 約16,925 | 約27,304 | 約37,618 | 約48,903 (予想) |
|
M1との比較 | - | 約1.61倍 | 約2.22倍 | 約2.89倍 |
14インチMacBook Proは最低スペック構成でも、容量を1TBに変更したら30万円オーバー。
ということで、少額減価償却資産(経費)の対象にはなりません、ゴミ。
M1 MAX・M2 MAXチップを比較
M2 MAXチップは、MacBook Proに新たに搭載されました。
M1 | M2 | M1 MAX | M2 MAX | ||
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大12コア |
シングルスコア | 約1,700 | 約1,899 | 約1,780 | 約2,136 (予想) |
|
マルチスコア | 約7,500 | 約8,845 | 約12,750 | 約15,300 (予想) |
|
M1との比較 | - | 約1.18倍 | 約1.70倍 | 約2.04倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大10コア | 最大32コア | 最大38コア |
スコアOpen CL | 約16,925 | 約27,304 | 約50,021 | 約65,027 (予想) |
|
M1との比較 | - | 約1.61倍 | 約2.96倍 | 約3.84倍 |
14インチMacBook Proで約45万〜、16インチMacBook Proで約50万〜。
この性能まで来ると、もはや用途が不明。
M2チップとM1チップシリーズのスペック比較
先ほどにも書いたとおり、発売されているM2チップ・M1チップシリーズは合計5種類。
これらは持ち運びできるMacBookや、iMacなど様々なマシンに搭載されています。
しかしながら、マシンごとの性能差は体感できる殆ど無く、Macの性能は内蔵されているチップの性能だけで変わると考えて問題ありません。
そこで、M2チップ・M1チップシリーズの合計5種の性能比較を、下記の図にまとめました。
M2 | M1 | M1 PRO | M1 MAX | M1 ULTRA | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大10コア | 最大20コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 約1,700 (マシン差) |
1,765 | 約1,780 (マシン差) |
1,793 | |
マルチコア スコア |
8,845 | 約7,500 (マシン差) |
12,505 | 約12,750 (マシン差) |
24,055 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | - | M1の約1.6倍 | M1の約1.65倍 | M1の約2.1倍 | |
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大8コア | 最大16コア | 最大32コア | 最大64コア |
Open CLスコア | 27,304 | 16,925 | 37,618 | 50,021 | 86,223 | |
METALスコア | 30,627 | 19,775 | 40,298 | 53,952 | - | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | - | M1の約1.95倍 | M1の約2.25倍 | M1の約3.65倍 | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大16GB | 最大32GB | 最大64GB | 最大128GB |
※M1チップの最大スペック価格はMacBook Airのもので、GPUのみスペックの異なる2022年6月現在の価格
※M1 ULTRAチップの価格は、Mac Studioのものなのでディスプレイは別
比較している項目は3箇所で、①CPU(情報を演算する役割)、②GPU(画像や映像を描写する役割)、③搭載できるメモリ(データを記憶しておく役割)の数。
それぞれのスコアが、比較項目を数値化したものです。
その下には、無印M1チップとの差を分かりやすく何倍速いのか?示したものです。
M2チップの速度はAppleの発表したもので、それぞれのスコアと価格はリンクさせています。
M2チップ・M1チップを比較
M2チップとM1チップを比較してみましょう。
価格と性能のバランスがどれほど違うのか、ざっとまとめると下記の結果。
M2・M1チップの比較
- M1チップよりも少しだけM2チップの性能は良い
- けれど、金額差は10万円近い
- M2 MacBook Airのコスパは微妙
- けれど、M2 MacBook Airのデザインは良さげ
スペックの差を図にまとめると、このようになります。
M2 | M1 | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 約1,700 (マシン差) |
|
マルチコア スコア |
8,845 | 約7,500 (マシン差) |
|
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | - | |
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大8コア |
Open CLスコア | 27,304 | 16,925 | |
METALスコア | 30,627 | 19,775 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | - | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大16GB |
少しややこしいのが、現在M1 MacBook Airについては8コアGPUがApple Storeから消え去っているので、少しGPU性能が若干下がってしまうので注意が必要です。
8コアGPUをお求めの方は、Amazonや家電量販店等での購入が必須。
M2チップ・M1 PRO・M1 MAXチップを比較
M2チップとM1 PRO・M1 MAXチップを比較していきます。
最もスペックの差が気になるのは、このあたりではないでしょうか。
ただし、M1 PROチップ以降は本当の意味でのプロ向けなので、「プロの方が長持ちするっしょ」くらいの軽い気持ちで買うのはオススメしません。
家電量販店で主婦が、M1 PROチップ搭載のMacBook Proを買おうとしている事態を目撃する度に、めまいがしてくる。
比較した要点をまとめると下記。
M2・M1 PRO/MAXチップの比較
- M2チップは、M1 PRO・M1 MAXチップよりも性能が低い
- 最低スペックの金額差は倍近い
- M1 PRO・MAXチップはほぼオーバースペック
- 動画編集・3Dグラフィックを本気で扱う人向け
スペックはこのような差になっていて、この時点で優秀なApple信者でもない限り価格が高すぎることにも気付きそうです。
M2 | M1 PRO | M1 MAX | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大10コア | 最大10コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 1,765 | 約1,780 (マシン差) |
|
マルチコア スコア |
8,845 | 12,505 | 約12,750 (マシン差) |
|
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | M1の約1.6倍 | M1の約1.65倍 | |
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大16コア | 最大32コア |
Open CLスコア | 27,304 | 37,618 | 50,021 | |
METALスコア | 30,627 | 40,298 | 53,952 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | M1の約1.95倍 | M1の約2.25倍 | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大32GB | 最大64GB |
私自身も簡単な動画編集をやっているのですが、大体のことはM1 MacBook Airでも十分こなせています。
詳しくはこちらで用途別オススメMacをまとめていますが、凝りに凝った動画編集を頻繁にする方や、3Dグラフィックをガシガシやりたい方向けのマシンでしょう。
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【用途別】M1・M2シリーズMacBookのオススメを熟考する
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これから動画編集や3Dグラフィックを本格的にやっていきたいという方でしたら、最低スペックでもいいからM1 PRO・M1 MAXチップを搭載したMacBook Proがあれば十分心強いでしょう。
オーバースペックで困ることはありませんし、使っているMacで出来ることに制限がかかるほどもったいないことはありません。
M2チップ・M1 ULTRAチップを比較
M2チップとM1 ULTRAチップを比較です。
M1 ULTRAチップについては、選択肢に入れなくてOK。
M1 Proチップがプロ向けなら、M1 ULTRAチップは変態向け。
M2・M1 ULTRAチップの比較
- 大体の人にはオーバースペック
- 値段も高すぎ
- これだけスペックの高いMacを買っても対応しているゲームは少なすぎ
比較した表を改めて確認すると、このように桁違いであることが分かります。
ネットサーフィンの0.3秒かかる読み込みが3.65倍の速度でも体感しにくいように、このマシンの恩恵を受けられる人は一握りでしょう。
M2 | M1 ULTRA | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大20コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 1,793 | |
マルチコア スコア |
8,845 | 24,055 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | M1の約2.1倍 | |
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大64コア |
Open CLスコア | 27,304 | 86,223 | |
METALスコア | 30,627 | - | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | M1の約3.65倍 | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大128GB |
これだけのスペックを使う作業とは、一体どうなことなのでしょうか。
その筆頭となるのがゲームではありますが、以前にも別の記事で書いた通り、これだけ高いスペックがあっても遊べるゲームも多くありません。
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Mac内でWindowsを動かせるソフトもあって便利ではありますが、そこまでしてMacを買うのも現状としては人柱要因で宝の持ち腐れ感はいなめません。
やはり、現状ゲームを動かすためには、Windowsを選んだほうがコスパは良い(当たり前)。
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また、Macに対応しているゲームがあったとしてもレトロゲームや、グラフィックのシンプルなもの(シミュレーションゲーム等)が多いです。
それらのゲームを遊ぶためにスペックの高いゲームを買うにはもったいない気がします。
無印M1チップの性能でも遊びがいのあるゲームがたくさん遊べます。
まずはこれらを遊んでからでからで十分でしょう。
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M2 MacBook Airのカッコ良さは魅力
これまでのことを踏まえると、金額と性能差を考えるとM2 MacBook Airのコスパは微妙と考えるのが当然でしょう。
しかし、別の記事でも書いたとおりM2 MacBook Airは、これからMacを買う方やintel Macからの乗り換えに悪いマシンではありません。
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たしかにコスパは良くありませんが、M2 MacBook Airひとつで大体の作業が出来てしまうことは事実。
新しいカラーのミッドナイトも気になるし、正直を言うとメチャクチャ欲しい。
M1 MacBookの素晴らしさに気付いてブログを始めた身からすると、継続するためのモチベーションは使っているマシンでかなり左右すると実感しています。
その必要経費として考えれば、少し高いけど思い切って買いたくなる値段な気がします。
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それにAppleは、前述の通りM2 MacBook Airを発表してから、M1 MacBook AirのGPU 8GBモデルを発売停止してしまいました。
売っているのはGPUが7GBのモデルのみで、現時点Apple Storeで売っているM1 MacBook Airのグラフィック性能は少し物足りない感もあります。
M2 PRO・MAX・ULTRAチップが発売されたとしても結局は高い
先のことを予想してみると、M1チップシリーズと同様にM2チップもシリーズ化して展開していくものと考えられます。
M2チップシリーズも、名前が変わるかもしれませんがPROやULTRAというような展開で、MacBook Air以外のマシンにも搭載されていくでしょう。
今回のM2チップ発表で、私が最も残念に感じたのはコレ。
M2チップでこれ以上のスペックを手に入れるには、結局のところ30万円以上かかることになるので、ただでさえスペックの高いM1チップシリーズとそこまで差別化されていくかは謎。
少なくとも、今回発表されたM2 MacBook Airよりも高性能で安いマシンが出ることはほぼ無いでしょう。
庶民には価格も高いしオーバースペックすぎるM1 PRO〜M1 ULTRAチップは無用の産物で、今後発売されるM2チップシリーズも同様に無用の産物となっていく気がします。
大体の人はM1 MacBook Airで十分
長くなりましたが、結論としては大体の人であればM1 MacBook Airで十分という話でした。
これまでの内容を振り返ってみると、下記の通り。
この記事の概要
- M2チップとM1チップ、スペックの向上はさほど無い
- 性能の高さなら、M1→M2→M1 PROの順番
- 大体の人はM1 MacBook Airで十分
- デザインが好きならM2 MacBook Airもアリ
M1チップが登場してからというものの、パフォーマンスも高くて省バッテリーというMacBookは、多くの方にオススメできるマシンに激変しました。
Macはコスパが悪いと言われ続けていましたが、iPhoneやAirPodsユーザーも多い日本では、総合的なユーザビリティを考えてMacを選ぶという方も多いでしょう。
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