ついにM2チップ搭載MacBook Airが発売されました。
これを待ち望んでいた方も、かなり多かったはず。
しかしよく見てみると、かなり高い気がしてきます…。
M1チップとスペックを比較してみても、GPUが少し賢くなったくらい…。
とは言っても欲しくなる、M2 MacBook Airの一新したデザイン。
M1チップやM2チップの性能比較もしながら、今買うべきMacについて考えていきましょう。
主に、こういった状況でお悩みの方向けの内容になっています。
M2 MacBook Airの詳細な仕様もまとめていますので、スペックの比較をして深く検討するためにもお役立てください。
この記事の概要
- M2 MacBook Airは買いなの?
→ コスパは正直ビミョウ
→ だけどデザイン良いし、大体のことはこれで出来る - もっと具体的に、どんな人が買いなの?
→ やりたい作業する用途別にまとめました - 初めて買うMacとして大丈夫?
→ 大丈夫。少し安いM1 MacBook Airでも良し - 学生向けのMacとして大丈夫?
→ 大丈夫。少し安いM1 MacBook Airでも良し
結論:やたらと高いM2 MacBook Airの立ち位置は微妙
やたら冗長で長ったらしいブログは嫌いなので結論から書くと、M2 MacBook Airはちょっと微妙というのが個人的な印象です。
その理由はこれから詳しくご紹介するとして、ざっくりその理由をまとめると下記。
M2 MacBook Airがビミョウな理由
- M1チップとM2チップで、性能はそこまで進歩していない
- M2チップよりもM1 PROチップの方が高性能
- MacBook Airのくせに高い
- 結局M2 PROチップとかが出て以降のMacも高くなりそう
コスパ悪めだけどデザインはカッコいいという、悩みのサイクルに入りかけます。
出来ることは大体M1 M1 MacBook Airとほぼ同じと考えて問題無いので、コスパを求めてそちらを買うのもアリです。
ただし全くダメかというとそうでも無くて、デザインが好きな人にはM2 M1 MacBook Airも全然アリ。
もっと具体的にすると、読者の方々によって用途は異なると思うので、それ以上は以降も読んで検討いただくのが間違い無いかと思います。
M2 MacBook Airのスペック
まずは簡単に、発表されたM2 MacBook Airのスペックについてポイントごとに簡単に確認してみましょう。
それぞれの要点を簡単にまとめたものが下記の内容です。
M2 MacBook Airのポイント
- M2チップ搭載
- M2チップはメモリ・GPUの増設が出来る
- M1 MacBook Airよりディスプレイが地味に大きくなった
- デザインはMacBook Pro 14,16インチに近い角張ったデザイン
- カラーバリエーションも新しくなった
- MagSafe充電が復活
- フロントのFaceTimeカメラが1080p対応
それぞれ見てみましょう。
待望のM2チップ搭載
ついに出た。
一昨年の2020年から使われているM1チップが、M2になってアップグレード。
これまでに発売されたチップは、M1・M2チップシリーズ合わせて下記の全5種類となりました。
M1・M2チップシリーズ
- M1チップ
(MacBook Air,Pro、Mac mini、iMacに搭載) - M1 PROチップ
(MacBook Proに搭載) - M1 MAXチップ
(MacBook Pro、Mac Studioに搭載) - M1 ULTRAチップ
(Mac Studioに搭載) - M2チップ
(MacBook Airに搭載)
M1チップの性能が高すぎてしばらくはこれで十分と言い聞かせていましたが、いざ発売されると欲しくなる…。
M2チップはメモリとGPUが増えた
新たなチップの発売によって、以前のMacBook Airより増設できる範囲が広がりました。
もっともカスタマイズできるのはメモリだけですが、最大24GBまでのメモリが増設可能です。
M1 MacBook Airの最大メモリは16GBなので、これによる物理的パフォーマンスも上がります。
また、グラフィックを司るGPUについても、MacBook Airの最大8コアから最大10コアに変化しました。
Airも四角いデザインに一新して、カラー新しくなった
最も目立つ変化として、デザインの大幅な刷新がなされました。
以前のM1 MacBook Airは丸みのある形でしたが、角張ったデザインに変化しています。
M1 MacBookProの14・16インチモデルに寄せる格好となりました。
機体は角ばっている方が部品を効率的に詰め込めるので、好き嫌いあるデザインかもしれませんが実用的ではあります。
カラーも新しくなって、今までM1 MacBook Airで使われていたゴールドが消滅。
新たに「ミッドナイト」と「スターライト」というカラーが加わり、カラーは全4色。
オタクなのでミッドナイトが個人的には好み。
気になる重量は、なんとM1 MacBook Airよりも若干ながら軽く(重量1.29kg→1.24kg)なりました。
しかもM1 MacBook Airよりも厚みも細く(最大高さ1.16cm→1.13cm)なっています。
ディスプレイが0.3インチ大きくなった
ディスプレイも地味に大きくなりました。
以前のM1 MacBook Airは13.3インチなので、気持ち大きくなっただけではありますが…。
13インチと単純計算で比較すると、タテに0.3cmくらい、ヨコに0.5cm大きくなるというイメージ。
ベゼル部分のデザインもM1 MacBookProの14・16インチモデルを踏襲するベゼルレス(?)となりました。
こちらも上部のカメラ部分のみベゼルがあって不格好な気もしますが、メニューバーを表示しているとあまり気にならないようになっています。
これだけ要素が詰まって、M1 MacBook Airより若干ながら軽くて薄いのは素直にスゴい。
MagSafe充電が復活
MagSafe充電に対応しました。
しかし個人的には、Appleシリコン(M1〜M2Mac)はとにかくバッテリー持ちがいいので、この機能は無くてもいいかなと思っている立場です。
その外的要因として、カメラやバッテリー類もUSB-C接続に対応するようになってきています。
わざわざ外にMagSafe充電器を持っていくかは、実際に買ったとしても不明ですね。
FaceTimeカメラが1080p対応
これは素直に嬉しい方も多いのではないでしょうか。
以前のM1 MacBook Airは古代より伝わる720pでしたが、ようやくM2 MacBook Airも1080p対応しました。
と言っても、新たに発表されたmacOS Venturaの新機能に打ち消されそうな気もしてます。
簡単にご紹介すると、Macでの通話でiPhoneをウェブカメラとして使える機能です。
しかも、MacとiPhoneはワイヤレスで連携できるとのこと。
文字にしてみると、自分でも何を書いているのか分からなくなってくるくらい革新的な機能。
iPhone単体で使えるステージ照明や、ポートレートモードも使えるようで有能が過ぎる。
ヒドい画質なのに高評価のウェブカメラが軒並み無くなりそうで元気が出ます。
極めつけはデスクビューなる、手元の映像を撮影することもできるようです。
謎技術ながらスゲェ。
上記が公式サイトでiPhoneは正面で人物を撮影している気がしますが、なぜか手元も撮影できています。
この謎技術を持ったmacOS Venturadですが、7月中のベータテスト版公開、今秋中の一般公開とのことなので少し待つことになりそうです。
M1チップとM2チップのスペック比較
さて、新しく発表されたM2チップのスペック比較をしていきます。
とは言え、数値ばかりで読むのも面倒だと思うので、CPUとGPUをひと目で比較できる表にまとめました。
M2 | M1 | M1 PRO | M1 MAX | M1 ULTRA | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大10コア | 最大20コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 約1,700 (マシン差) |
1,765 | 約1,780 (マシン差) |
1,793 | |
マルチコア スコア |
8,845 | 約7,500 (マシン差) |
12,505 | 約12,750 (マシン差) |
24,055 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | - | M1の約1.6倍 | M1の約1.65倍 | M1の約2.1倍 | |
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大8コア | 最大16コア | 最大32コア | 最大64コア |
Open CLスコア | 27,304 | 16,925 | 37,618 | 50,021 | 86,223 | |
METALスコア | 30,627 | 19,775 | 40,298 | 53,952 | - | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | - | M1の約1.95倍 | M1の約2.25倍 | M1の約3.65倍 | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大16GB | 最大32GB | 最大64GB | 最大128GB |
最大スペック価格 (SSD以外) |
〜¥264,800 | (〜¥162,800) | 〜¥400,800 | 〜¥512,800 | 〜¥810,800 |
※M1チップの最大スペック価格はMacBook Airのもので、GPUのみスペックの異なる2022年6月現在の価格
※M1 ULTRAチップの価格は、Mac Studioのものなのでディスプレイは別
こうやって見ると…M2チップのMacは…あまり性能が良くない…。
と思っていると、M2 PROチップが発売されるパターンですねきっと…高そう。
M1とM2のCPUを比較
CPUは18%の速度向上。
CPUは様々な指示を処理する役目があります。
高速化したのは18%で、現実的に使っていて速度を体感する差では無いでしょう。
intel Macとの差は別次元なので、後述する用途別に沿って直ちに買い替えるのがオススメです。
M2 | M1 | M1 PRO | M1 MAX | M1 ULTRA | ||
CPU |
最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大10コア | 最大20コア |
シングルコア スコア |
1,923 | 約1,700 (マシン差) |
1,765 | 約1,780 (マシン差) |
1,793 | |
マルチコア スコア |
8,845 | 約7,500 (マシン差) |
12,505 | 約12,750 (マシン差) |
24,055 | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.18倍 | - | M1の約1.6倍 | M1の約1.65倍 | M1の約2.1倍 | |
最大スペック価格 (SSD以外) |
〜¥264,800 | (〜¥162,800) | 〜¥400,800 | 〜¥512,800 | 〜¥810,800 |
ちなみに、私は趣味で遊んでいるDTMもCPU能力をかなり使う作業ではありますが、無印のM1でも十分使いこなせています。
別記事で恐縮ですが、DTMerの方々向けには詳しくはこちらでまとめています。
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-
【MacでDTM】必要スペックから考える今買うべきMac【最低スペックでOK】
続きを見る
M1とM2のGPUを比較
動画編集やゲームを主に扱う人なら気になるのがグラフィック性能。
M1チップとM2とで、35%の速度が向上しています。
しかしながらM2チップとの比較対象は、無印のM1チップです。
M1チップの性能は、M1 PRO・MAXと比較するとまだまだなところなので、結果的に性能はビミョウ。
M2 | M1 | M1 PRO | M1 MAX | M1 ULTRA | ||
GPU |
最大コア数 | 最大10コア | 最大8コア | 最大16コア | 最大32コア | 最大64コア |
Open CLスコア | 27,304 | 16,925 | 37,618 | 50,021 | 86,223 | |
METALスコア | 30,627 | 19,775 | 40,298 | 53,952 | - | |
M1チップより 何倍早い? |
M1の約1.55倍 | - | M1の約1.95倍 | M1の約2.25倍 | M1の約3.65倍 | |
メモリ | 最大メモリ数 | 最大24GB | 最大16GB | 最大32GB | 最大64GB | 最大128GB |
最大スペック価格 (SSD以外) |
〜¥264,800 | (〜¥162,800) | 〜¥400,800 | 〜¥512,800 | 〜¥810,800 |
ちなみに、私が使っているのはというとM1 MacBook Air。
主にブログの更新や動画編集、ゲームを遊ぶのに使っています。
テキストの処理や動画編集は余裕を持ってこなせるのですが、遊べるゲームは限られている印象です。
こちらでも詳しくまとめていますが、M1 PRO未満のグラフィック性能で何でもかんでもM2チップ搭載Macでゲームを遊ぶには随分厳しそうです。
現状Macでゲームを遊ぶなら、M1 PRO,MAXといったMacBook Proのみに搭載しているモデルが推奨されます。
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【2023年】M1・M2 Macでもゲームがしたい【Steamを遊ぶ方法まとめ】
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反対に、M2 MacBook Airよりも性能が低い、M1 MacBook Airでも遊べているゲームもたくさんあります。
グラフィックこそ古臭いものもありますが、中には200時間以上もやりこめる神ゲーと呼ばれるものがあったりと、実は充実しています。
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-
Macで遊べるおすすめSteamゲーム4選【Vampire Survivorsほか】
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これだけでもかなりの時間楽しく遊べますので、レトロっぽい見た目で食わず嫌いしている方もぜひ。
グラフィック処理の重くないゲームであれば、少しMac本体が熱くなる程度で問題なく遊べています。
M1・M2チップ搭載Mac、どっちを買うべき?
スペックが分かったところで、結局M1チップ・M2チップの中でもどっちを買うべき?
どんな作業をする人ならどんなMacを買うべき、という視点でまとめました。
M1とM2、用途別の買うべきはどっち?
- テキスト作業がしたい → M1 MacBook Air
- DTMがしたい → M1 MacBook Air
- 簡単な動画編集がしたい → M1 MacBook Air
- 複雑な動画編集がしたい → M2 MacBook Airか、M1 Proチップ MacBook Pro
- レトロっぽいゲーム(ゲーム実況)がしたい → M1 MacBook Air
- 本格的なゲーム(ゲーム実況)がしたい → M1 Proチップ MacBook Pro以上(あとは予算と相談)
- intel Macから乗り換え → M1 MacBook Air
- 初めてMacを買う学生や → M1 MacBook Air
- 結論;ほとんどの人はM1 MacBook Airで十分です
ということで、ほとんどのユーザーであればM1 M1 MacBook Airで十分です。
その理由はより詳細な比較で別の記事でもご紹介していますが、M1チップとM2チップの差がそこまで大きくないし、無印M1チップの性能は非常に強力だから。
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【比較】M1とM2チップ、どっちを選ぶ?スペックから違いを考える
続きを見る
ただし、好きなMacでないとモチベーションは続かないと思うので、デザインがどストライクという方はM2 M1 MacBook Airも大いにアリです。
私自身は迷った結果、購入は見送りました。
下記の条件に分けて、M2 Macは買いなのか?は別の記事で詳しくまとめました。
M2 Macは買うべき?
- M1 Macユーザー
- intel Macユーザー
- 初Macとして
M2 Macは、私にとっては買わなくても後悔しないマシンでした。
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【性能はビミョウ】M2 Macは買わなくてもほぼ後悔しない理由
続きを見る
私が主にM1チップのMacBook Ariで行っている作業は、ブログ更新(テキスト作業)・DTM(音楽制作)・動画編集・ゲームの4種類です。
それぞれ詳しく書いていますので、M1チップ深く知りたいという方はこちらも参考になればと思います。
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【用途別】M1・M2シリーズMacBookのオススメを熟考する
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ハイスペックの高いMacBookが出たところで、ゲーム開発待ちの状態は続く
次々に発売されまくるAppleシリコンのMacではありますが、いち一般庶民のユーザーからしたら方向性がよく分からなくなってきたという気もしてきます。
これはMac Studio発表時の記事でも書きましたが、ハイスペックなMacが市場に出てもMac対応のゲームがまだまだ少ないんですよね。
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【Mac Studio】スペックは高いが、ゲーム用には無理【結論:いらない】
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カプコンの方が発表会(WWDC)にも登壇しましたが、ゲームエンジニアに「はよ、Mac対応のゲーム作れや」と暗に言っているようにしか見えません。
これだけ短期的に新しいチップを発表しているので、開発者からしたらMac対応は大変な気も素人目線でしますが…。
YouTuberが高性能のMacを紹介しまくっているわけですが、YouTuber並にMacのグラフィック性能を求める人種はYouTuberとゲーマーしかいません。
よっぽど高頻度で複雑な動画編集を行わない限り、動画編集はM1 MacBook Airで十分。
しかもゲーマーは軒並みWindowsを使っていて、情報が拡散されやすいYouTuberの意見で溢れかえっている感じ。
こればかりは、人柱的にMacゲーマーが増えるしか事態が変わらない気がします。
Macがゲームを発売するとしたらApple Arcadeになるかもしれませんし、その際にはSteamやEpic Gamesとの距離感は遠そうです。
Macでゲームが遊べない問題は、今後もかなりカオス(複雑)な気がするので、私はMacでも遊べるゲームをぼちぼち遊ぼうかと思っています。
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