オーディオインターフェースは様々な事を始めるのに必要となってくる機材です。
DTM・ゲーム実況・ゲーム配信・弾き語り配信等で、オーディオインターフェースはその中心となってくれます。
けれど、新しい事を始めるには、分からないことだらけですよね。
敷居が高い気がしている方も多いかもしれません。
そもそも、オーディオインターフェースってナニ!?
こんな初心者の方々にも分かるよう、おすすめのオーディオインターフェースについて、用途別にご紹介します。
結論:おすすめしたいオーディオインターフェースは用途によって様々
一言でオーディオインターフェースと言っても、実は色々な機能を持っています。
簡単に言うとオーディオインターフェースそれぞれに個性があるので、それを無視するのはかなりもったいない選び方です。
そこで今回は、下記の用途別に分けてまとめています。
- DTM
- ゲーム実況・配信
- 弾き語り配信
後悔しないオーディオインターフェース選びが出来る構成を心がけましたので、しばしお付き合いください。
オーディオインターフェースとは?
簡単に、オーディオインターフェースとは何なのか?を確認しておくと。
一言でいうと、こんな役割です。
- PC・Mac単体では接続できない”端子”を接続するために、PC・Macを拡張してくれる機材
例えばこのような端子は、PC・Macでは接続できませんよね。
多くのPC・Macは、イヤホンの端子くらいしか付いていないと思います。
それでは録音したりは出来ないので、オーディオインターフェースという機材を使うことになります。
オーディオインターフェースを選ぶ6つのポイント
オーディオインターフェースを選ぶ際のポイントは、どう考えればいいのでしょうか?
これらのポイントで比較すれば間違いありません。
- 入力数
→ 一度に録音できる数が決まります - 音質
→ 音のきめ細やかさが決まります - プリアンプ機能
→ 聴き応えある音に調整してくれます - 接続するUSB端子
→ USB端子の種類を決めます - ループバック機能
→ 配信には必須の機能です - エフェクト機能
→ マイクの声に効果を付けられます
それぞれどういう役割になるのか、確認してみましょう。
1:入力数
オーディオインターフェースの入力数によって、一度に録音できる数が決まります。
同時に使う機材(マイクや楽器等)の数がいくつなのか?を想定して決めましょう。
例をいくつかご用意しました。
- 楽器を1つずつ鳴らすDTM
→ 入力数は2以上 - 複数の楽器を同時にならすDTM
→ 入力数は2+ミキサー - マイクだけを使ったゲーム実況・配信
→ 入力数は2以上 - マイクとギター・キーボード等を使った弾き語り配信
→ 入力数は3以上
基本的には、入力数が2つ以上のオーディオインターフェースを選ぶ必要があることだけ押えておきましょう。
また、弾き語り配信であれば、多めの入力数を必要とすることにも注意です。
2:音質
どんな音が好きなのかは人によって様々です。
しかしオーディオインターフェースでは、音質が数値化されている部分があります。
具体的には、下記の2項目。
簡単に言うと、音の波がどれくらいきめ細かいものなのか?を指す数値です。
- サンプリング周波数
→ 44100Hz〜192000KHz(192kHz) - ビットレート
→ 96Kbps〜320Kbps
数値が大きければ大きいほど、音の波がきめ細かい(音質が良い)事になります。
しかしながら、数値が大きければ大きいほど良いという訳ではありません。
数値が大きいとファイル容量が大きすぎることにもつながり、配信では視聴者が重くて見にくい結果になります。
実際のところ、音質の違いもそこまで大きくありません。
その証拠として、CDのサンプリング周波数は44100Hzに固定されています。
- 44100Hz 16bit:CD
- 48000Hz 16/24bit:DVD
- 96000Hz 16/24bit:Blu-ray
- 192000Hz 24/32bit:Blu-ray
引用元:蠱惑の楽器たち 30.音楽と電気の歴史6 CDのサンプリング周波数
結論としては、あまり気にしすぎる必要はありません。
一通り確認しておきましたが、音質にこだわるのであれば、マイクの方がよっぽど重要です。
3:プリアンプ機能
音質とは少し異なりますが、聴き応えある音に調整してくれるプリアンプ機能というものがあります。
具体的には、こういう役割があります。
- 音の大きさやバランスや音質を調整してくれる機能
ざっくりした言い方ですが、音をいい感じにしてくれる機能です。
それぞれのオーディオインターフェースによって、音の個性が若干違います。
例えるなら、アコースティックで繊細な音に強いものや、太い電子音楽に強いものなど、用途に合ったプリアンプ機能があります。
用途別にご紹介しますので、後ほど後述します。
4:接続端子(USBの種類)
実際に使ってみて実用的な違いがあるのは、オーディオインターフェースとの接続端子の違いです。
PC・Macとは、USB等で接続することになります。
いくつか種類はありますが、多くはこれらの端子が使われています。
- USB Type-B
- USB Type-C
- Thunderbolt
最近ではUSB Type-C端子を搭載したPC・Macも増えており、オーディオインターフェースについてもUSB Type-C接続のものが増えています。
また、USB Type-C端子の方が電源供給量も多いことから、高性能なオーディオインターフェースはUSB Type-Cが増えています。
Macユーザーであれば、USB Type-C端子のオーディオインターフェースが使いやすいと思います。
私もMacBookを使っていますが、USB Type-AやUSB Type-Bに変換する必要がなく、非常に快適です。
5:ループバック機能
配信をするのであれば必ず持っておきたい機能、それがループバック機能です。
ループバック機能とは、一言でいうとゲーム実況・配信している音がループしないための機能です。
例えば、こんな配信を考えている方には必須となる機能です。
- PC・Macで遊んでいるゲーム(Steam等)の音を、ゲーム実況・配信に使いたい
- PC・Macで再生しているBGMを、ゲーム実況・配信に使いたい
この機能があるのと無いのでは、出来る事がかなり変わってきます。
ループバック機能に対応したオーディオインターフェースは多いので、よく確認しておきましょう。
6:エフェクト機能
こちらも配信を用途に考えている方であれば、あると助かる機能です。
声にリアルタイムでエフェクトをかけられるエフェクト機能です。
例えばこういった効果があります。
- リバーブ
→ 声に効果(残響音)を付ける機能 - コンプレッサー
→ 声を聞きやすい音量に自動調整する機能
ただし、エフェクト機能が搭載しているオーディオインターフェースはかなり少ないです。
エフェクト機能を必要と考えている方は、後述する「AG03mk2」を選ぶようにしましょう。
DTM向けのおすすめオーディオインターフェース
DTMを目的としている方におすすめのオーディオインターフェースは、下記の3つです。
- Steinberg「UR22mkⅡ」
→ コスパ抜群の最定番 - FOCUSRITE「Scarlett 2i2」
→ マイクプリアンプに定評 - BEHRINGER「UMC22」
→ 1万円未満と手頃な初心者向け
それぞれワンポイントで、特徴をまとめています。
DTMにおすすめなオーディオインターフェースの機能は?
用途がDTMなら、どんな点に注意してオーディオインターフェースを選ぶべき?
これらの機能に重点を置きましょう。
- 入力数
- 音質
- プリアンプ機能
- 接続するUSB端子
それぞれを比較した表が下記。
Steinberg「UR22mkⅡ」 | FOCUSRITE「Scarlett 2i2」 | BEHRINGER「UMC22」 | |
入力数 (内マイク入力) | 2 (2) | 2 (2) | 2 (1) |
音質 | 192kHz / 24bit | 192kHz / 24bit | 48kHz / 16bit |
接続するUSB端子 | USB Type-B | USB Type-C | USB Type-B |
ループバック機能 | ○ | ○ | × |
エフェクト機能 | × | × | × |
参考価格 | 約1.5万円~ | 約2万円~ | 約7千円~ |
Steinberg「UR22mkⅡ」:約1.5万円~
手軽に購入できて定番なのが、Steinbergの「UR」シリーズです。
中でもお手頃価格なのが「UR22mkⅡ」です。
この価格でマイクプリアンプが2つ搭載していて、これからDTMを始める方であれば全く困ることはありません。
SteinbergはYAMAHAの子会社で、品質も間違いないオーディオインターフェースです。
「UR22mkⅡ」はUSB Type-BでPC・Macと接続するオーディオインターフェースです。
もしUSB Type-C接続したいのであれば、「UR-C」という兄弟シリーズも用意されています。
私が使っている「UR22C」や「UR24C」など、こちらもご検討下さい。
ボディーはメタリックで、重厚感もある男らしいオーディオインターフェースです。
マイクプリアンプも癖の無い自然なものなので、様々な音楽に使えるオーディオインターフェースだと思います。
FOCUSRITE「Scarlett 2i2」:約2万円~
こちらも定番のオーディオインターフェースです。
USB Type-C接続できて、マイクプリアンプ2つ搭載しているのにこのお手頃なのは、かなり優秀です。
使ってみたところ、ボーカルやアコースティックギターの映える搭載マイクプリアンプが使っていて楽しい印象でした。
全面の「AIR」ボタンを押すことで、空気感まで伝わってくる繊細な表現をしてくれます。
先にご紹介したSteinbergの「UR」シリーズと比較すると、ボディーは少しチープな印象を受けました。
しかしながら非常にコンパクトで軽いので、デスクにコンパクトに収まってくれたり持ち歩きも出来るテーマのようです。
ボーカルやアコースティックギター向け、というような書き方をしましたが、同じく全面の「INST」ボタンでよりシンプルなマイクプリアンプに切り替えることも可能です。
FOCUSRITEはマイクプリアンプが有名な会社でして、やはり音のクオリティーは非常に高いオーディオインターフェースでした。
入力・出力端子の数によって、2i2や4i4などありますが、とりあえず2i2を買っておくと損が無いと思います。
BEHRINGER「UMC22」:約7千円~
もっとリーズナブルに購入できるオーディオインターフェースが、BEHRINGER「UMC22」です。
音質やマイクプリアンプ等、いくつか劣る点はありますが1万円未満で購入できるオーディオインターフェースとしては優秀です。
まずは音質面です。
他のオーディオインターフェースが192kHz / 24bitまで対応しているのに対して、48kHz / 16bitまでしか対応していません。
正直なところ聴いて分かる違いはそこまで無いと思います。
それでも、何となく気になる方には向かないかもしれません。
また、マイクプリアンプは1つしかないのも要注意です。
マイク・ギターを同時にプリアンプを使って録音することが出来ないなど、少し制限が出来てしまいます。
そこまで気にしないし、とりあえずオーディオインターフェースってものを使ってみたいという方はこちらからお試し下さい。
ゲーム実況・配信向けのおすすめオーディオインターフェース
ゲーム実況・配信が目的という方におすすめのオーディオインターフェースは、下記の2つです。
- YAMAHA「AG03mk2」
- MOTSU「M2」
やはり、ゲーム実況・配信を目的としているなら、YAMAHA「AG03mk2」が最も間違いありません。
ゲーム実況・配信に特化したオーディオインターフェースです。
ゲーム実況・配信に必要なものを一挙に確認したい方はこちらからもどうぞ。
ゲーム実況・配信におすすめなオーディオインターフェースの機能は?
用途がゲーム実況・配信なら、どんな点に注意してオーディオインターフェースを選ぶべき?
特にこれらの機能に重点を置きましょう。
- 入力数
- ループバック機能
- エフェクト機能
それぞれを比較した表が下記。
YAMAHA「AG03mk2」 | MOTSU「M2」 | |
入力数 (内マイク入力) | 4 (1) | 2 (2) |
音質 | 192kHz / 24bit | 192kHz / 24bit |
接続するUSB端子 | USB Type-C | USB Type-C |
ループバック機能 | ○ | ○ |
エフェクト機能 | ○ | × |
参考価格 | 約2万円~ | 約3万円~ |
YAMAHA「AG03mk2」:約2万円~
ゲーム実況・配信に使うオーディオインターフェースといえばコレ、というのがYAMAHA「AG03mk2」。
実況・配信に必要な機能が全部入り、というのがこの機材のスゴいところです。
本来はいくつかの機材を使ってようやく出来ることが、AG03がひとつあれば出来るようになってしまいました。
例えば実況する声にエフェクトをかけられたり、そもそも接続できる端子が多かったりと、少しこだわったゲーム実況・配信まで可能。
定番の機材には定番になりうる理由とよく分かりました。
スマホを接続して実況・配信にBGMを加えられる(AUXと書かれている部分)ようになっていたり、マイクの音量を調整するフェーダーやミュートボタンが付いていたりと、機能の多さと操作性は抜群。
まさに、ゲーム実況・配信向けに作られたオーディオインターフェースです。
一見するとツマミや接続端子ばかりで敷居が高い印象を受けるかもしれませんが、いざ使ってみるとそこまで難しいことはありません。
下記の記事でも機能をご紹介しています。
ちなみに、「AG03」と「AG03mk2」の違いは、USB端子とボタンの配置くらいで大した違いはありません。
USB Type-C接続したい方は「AG03mk2」。
MOTSU「M2」:約3万円~
少し高価ですが、オーディオの品質をとことん突き詰めたいという方向けのオーディオインターフェースです。
よりプロ向けの品質が自宅でも使えるようになります。
全面のディスプレイで音のバランスを目視で確認できるのも実用的です。
価格は少し高めですが、この価格でのクオリティーというのはコストパフォーマンスも良いアイテムです。
ループバック機能も搭載しています。
弾き語り向け配信向けのおすすめオーディオインターフェース
弾き語り配信を目的としている方におすすめのオーディオインターフェースは、下記の2つです。
- YAMAHA「AG03mk2」
- FOCUSRITE「Scarlett 4i4」
基本的にはYAMAHA「AG03mk2」を買うのが無難で、高い音のクオリティーを求めているならFOCUSRITE「Scarlett 4i4」も選択肢に入れておくと良いと思います。
そもそも配信にオーディオインターフェースが必要なの?
というギモンをお持ちの方はこの記事も参考になるかと思います。
弾き語り配信におすすめなオーディオインターフェースの機能は?
用途が弾き語り配信なら、どんな点に注意してオーディオインターフェースを選ぶべき?
特にこれらの機能に重点を置きましょう。
- 入力数
- プリアンプ機能
- ループバック機能
- エフェクト機能
それぞれを比較した表が下記。
YAMAHA「AG03mk2」 | FOCUSRITE「Scarlett 4i4」 | |
入力数 (内マイク入力) | 4 (1) | 4 (2) |
音質 | 192kHz / 24bit | 192kHz / 24bit |
接続するUSB端子 | USB Type-C | USB Type-C |
ループバック機能 | ○ | ○ |
エフェクト機能 | ○ | × |
参考価格 | 約2万円~ | 約2万円~ |
YAMAHA「AG03mk2」:約2万円~
やはりここでもおすすめしておきたいのが、YAMAHA「AG03mk2」というオーディオインターフェース。
弾き語り配信で重要となるボーカルの処理が非常に直感的に出来るオーディオインターフェースです。
無料でダウンロードできる「AG Controller」というアプリを使って、EQやコンプレッサーを細かく調整できます。
具体的に言うと、それぞれこういった調整が出来るようになります。
- リバーブ
→ 声に効果(残響音)を付ける機能 - コンプレッサー
→ 声を聞きやすい音量に自動調整する機能 - EQ
→ いらない部分の音をカットできる機能
プリセット(定番の設定)も用意されているので、イチから勉強する必要もありません。
例えば、ボーカルは低域(低い音の部分)をカット(聞こえにくくする)するのが、作曲する界隈では暗黙の了解となっています。
アプリはiOS・Mac・Windowsに対応していて、こういった細かな部分でこだわることができるのも「AG03mk2」の魅力です。
ループバック機能もオンオフできるようになっています。
様々な場面で活躍できるオーディオインターフェースでしょう。
FOCUSRITE「Scarlett 4i4」:約2万円~
弾き語り配信で多くの楽器を使用したい方には、FOCUSRITE「Scarlett 4i4」も便利です。
全面に入力が2つ、背面にも同じく2つの入力端子が用意されています。
入力端子が増えると価格が一気に高くなるオーディオインターフェースが多い中、FOCUSRITE「Scarlett 4i4」はコストパフォーマンスが一際優れているオーディオインターフェースです。
入力が4つもあることで、マイクと楽器を各2つ接続することも出来ます。
複数人で使用することまで余裕で出来てしまいます。
反対に、ボーカルと楽器くらいであれば入力2端子つの2i2でも十分です。
FOCUSRITE「Scarlett 2i2」等のScarlettシリーズと比較した記事が下記。
まとめ:オーディオインターフェースは可能性を広げてくれる機材
今回は3つの用途に分けて、おすすめのオーディオインターフェースについてご紹介してきました。
これまでの内容を振り返ると、下記のオーディオインターフェースが最もおすすめ。
- DTM
→ Steinberg「UR22mkⅡ」 - ゲーム実況・配信
→ YAMAHA「AG03mk2」 - 弾き語り配信
→ YAMAHA「AG03mk2」
とにかくオーディオインターフェースは、何かを始めたいと思った時に必要となることがよくある機材です。
ゲーム実況・配信、弾き語り配信が目的なら、YAMAHAの「AG03mk2」が間違いありません。
ひとつの機材でたくさんの機能をカバーしています。
また、DTM等の楽曲作成であればミキサー機能を搭載していないオーディオインターフェースを使うべきです。
クオリティーも間違いないのは、Steinbergの「UR」シリーズや、Focusriteの「scarlet」シリーズです。
オーディオインターフェースは、持っておくだけでも可能性が広がりますし、モニタースピーカーとの接続まで出来るようになります。
モニタースピーカーは音楽のプロがチェックに使う、味付けの少ない代わりに正確な表現をしてくれるスピーカーです。
4Kディスプレイにモニタースピーカーで楽しむYouTube・ネトフリ・アマプラは最高。
ネットサーフィンも、もっと楽しくなりました。
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