2020年から発売されているAppleシリコンも、とうとう「M1」から「M3」まで進化してきました。
現時点で発表されているのが、下記11種類のチップ
いよいよどれを選んだら良いか分からなくなってきました。
- 「M3」チップ シリーズ
- M3、M3 Pro、M3 Max
- 「M2」チップ シリーズ
- M2、M2 Pro、M2 Max、M2 Ultra
- 「M1」チップ シリーズ
- M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultra
有識者の方ならご存知の通り、搭載されるチップによってMacのスペックが異なります。
同じM3チップでも、2〜3倍と変わってきます。
これまで発売された「M1」「M2」チップとも比較しながら、「M3」チップのスペックをまとめました。
※本記事で使用している画像は、「Apple Event」の配信や、「MacBook Pro」「iMac」のApple公式サイトから引用しています。
M3、M3 Pro、M3 Maxチップ搭載Macが発表
さて、発表されたのが、下記3種類のチップでした。
言うまでも有りませんが、M3→M3 Pro→M3 Maxと基本スペックが上がっていきます。
- M3チップ
- M3 Proチップ
- M3 Maxチップ
Appleの発表では「〜チップから20%向上」みたいなぼんやりした説明ばかり。
もう少しわかりやすく、数字で比較しようというのが本記事の内容です。
発表直後ですが、早くもその性能がリークされてきています。
特に「M3」と「M3 Max」は、Geekbenchに登場しており、かなり正確な数字が出ています。
一方の「M3 Pro」については、複数のリークをあつめた予想値を掲載しています。
情報元から確認したい方は、「Geekbench 6」というサイトを参照ください。
M3シリーズと、M2シリーズのスペック比較
2022年〜発売の「M2」チップと、新たな「M3」チップを比較してみましょう。
表にスコアをまとめたものが下記。
M2 | M3 | M2 PRO | M3 PRO | M2 MAX | M3 MAX | M2 ULTRA | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大12コア | 最大12コア | 最大12コア | 最大16コア | 最大24コア |
スコア | シングルコア2,631 | 3,016 | 2,643 | 2,970 (予想) | 2,803 | 3,011 | 2,767 | |
スコア | マルチコア9,742 | 11,588 | 14,253 | 18,306 (予想) | 14,809 | 20,805 | 21,316 | |
何倍早い? | M1チップより約1.16倍 | 約1.38倍 | 約1.7倍 | 約2.18倍 (予想) | 約1.77倍 | 約2.48倍 | 約2.54倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大10コア | 最大10コア | 最大19コア | 最大18コア | 最大38コア | 最大40コア | 最大76コア |
Open CLスコア | 27,887 | 30,625 | 50,277 | 58,549 (予想) | 86,042 | 93,312 | 128,608 | |
何倍早い? | M1チップより約1.38倍 | 約1.52倍 | 約2.49倍 | 約2.9倍 (予想) | 約4.26倍 | 約4.62倍 | 約6.37倍 |
あくまで数字上の比較ですが、いくつか見えてくることがあります。
ポイントとなるのは、下記の項目かと思われます。
- 「M2」シリーズ→「M3」シリーズでは、そこまで大きくない
- 「M2」→「M3」のCPUマルチスコアは、順当に進化しているが小さめ
- けれど「M2」→「M3」のGPU性能は、全然向上していない
こう考えると、「M2」チップユーザーが「M3」チップに移行する意味は、スペック面では無い。
M3シリーズと、M1シリーズのスペック比較
2020年〜発売の「M1」チップとは、どれくらい差がついたのでしょうか?
こちらも同様にまとめたのが下記。
M1 | M3 | M1 PRO | M3 PRO | M1 MAX | M3 MAX | M1 ULTRA | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最8大コア | 最大12コア | 最大12コア | 最大12コア | 最大16コア | 最大24コア |
スコア | シングルコア2,350 | 3,016 | 2,377 | 2,970 (予想) | 2,402 | 3,011 | 2,384 | |
スコア | マルチコア8,389 | 11,588 | 12,204 | 18,306 (予想) | 12,432 | 20,805 | 17,814 | |
何倍早い? | M1チップより– | 約1.38倍 | 約1.45倍 | 約2.18倍 (予想) | 約1.48倍 | 約2.48倍 | 約2.12倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大10コア | 最大10コア | 最大19コア | 最大18コア | 最大38コア | 最大40コア | 最大76コア |
Open CLスコア | 20,185 | 30,625 | 40,379 | 58,549 (予想) | 67,990 | 93,312 | 92,451 | |
何倍早い? | M1チップより– | 約1.52倍 | 約2倍 | 約2.9倍 (予想) | 約3.37倍 | 約4.62倍 | 約4.58倍 |
数字だけだとよく分からなくなってくるので、ポイント別にまとめました。
- 「M2」シリーズ→「M3」シリーズで、全体的に1.5倍近く差がついた
- 「M1 Pro」→「M3」のCPUマルチスコアが、大体同じくらい
- けれど「M2 Max」→「M3 Pro」のCPUマルチスコアは、「M3 Pro」の方がかなり高い
「M1」ユーザーなら、「M3」に買い替えても「悪くはないが・・・」くらいには進化しています。
ただし、順当に価格も高くなっています。
スペックアップ(M1 → M3 Pro等)を狙うならアリかも、とは思いますが一気に高くなるのでムズすぎ。
M3・M2・M1 Macのスペック比較まとめ
ここで改めて、「M3」チップシリーズの特徴をまとめてみます。
- 「M3」→「M3 Pro」のスペック差が、CPU・GPUともに結構デカイ
けれど、「M3 Pro」→「M3 Max」のスペック差は、ほとんどGPU性能のみ - 「M2」シリーズ→「M3」シリーズでは、そこまで大きくない
けれど、「M3 Max」と「M2 Ultra」では、GPU性能に大きな差がある
「M3」「M2」「M1」シリーズを全てまとめ比較しても、よく分かります。
M1 | M2 | M3 | M1 PRO | M2 PRO | M3 PRO | M1 MAX | M2 MAX | M3 MAX | M1 ULTRA | M2 ULTRA | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大8コア | 最大8コア | 最大10コア | 最大12コア | 最大12コア | 最大10コア | 最大12コア | 最大16コア | 最大20コア | 最大24コア |
シングルコア スコア | 2,350 | 2,631 | 3,016 | 2,377 | 2,643 | 2,970 | 2,402 | 2,803 | 3,011 | 2,384 | 2,767 | |
マルチコア | 8,389 | 9,742 | 11,588 | 12,204 | 14,253 | 18,306 | 12,432 | 14,809 | 20,805 | 17,814 | 21,316 | |
M1チップより 何倍早い? | – | 約1.16倍 | 約1.38倍 | 約1.45倍 | 約1.7倍 | 約2.18倍 | 約1.48倍 | 約1.77倍 | 約2.48倍 | 約2.12倍 | 約2.54倍 | |
GPU | 最大コア数 | 最大8コア | 最大10コア | 最大10コア | 最大16コア | 最大19コア | 最大18コア | 最大32コア | 最大38コア | 最大40コア | 最大64コア | 最大76コア |
Open CLスコア | 20,185 | 27,887 | 30,625 | 40,379 | 50,277 | 58,549 | 67,990 | 86,042 | 93,312 | 92,451 | 128,608 | |
M1チップより 何倍早い? | – | 約1.38倍 | 約1.52倍 | 約2倍 | 約2.49倍 | 約2.9倍 | 約3.37倍 | 約4.26倍 | 約4.62倍 | 約4.58倍 | 約6.37倍 |
スペックの順番もかなり入り乱れてきてきました。
MacBook Pro(M3、M3 Pro、M3 Maxチップ搭載)
これまでご紹介してきた「M3」チップ3種類は、MacBook Proに搭載されます。
MacBook Proのラインナップと、最低スペック価格をまとめたのが下記。
- MacBook Pro 14インチ
- 「M3 」 → 248,800円(税込)〜
- 「M3 Pro」 → 328,800円(税込)〜
- 「M3 Max」 → 538,800円(税込)〜
- MacBook Pro 16インチ
- 「M3 Pro」 → 398,800円(税込)〜
- 「M3 Max」 → 454,800円(税込)〜
MacBook Airの発表はありませんでした。
ちなみに、気になるドル円レートは¥149/$前後。
前回2023年1月に発表のMacBook Proは¥130/$前後だったので、全体的に地獄のような価格設定になりました。
本体ボディーはそのまま
新たなMacBook Proシリーズは、本体ボディーが据え置き。
つまり実質は、チップの入れ替えだけです。
一点注意しておくべきは、「M3」と「M3 Pro」「M3 Max」では端子の数が微妙に異なります。
本体右側のUSB-C(Thunderbolt)がひとつ無くなっています。
新色のスペースブラックは、M3 ProかM3 Maxチップのみ
ただし、カラーバリエーションが1種類新たに追加されてました。
「スペースブラック」というカラー。
これがカッコいい。
だがしかし、「M3」チップにはスペースブラックは無しッ!
「M3 Pro」以上のスペックが必要で、最低スペックでも328,800円(税込)が必要。
振り返ると、こんな感じ。
- MacBook Pro 14インチ
- 「M3 Pro」 → 328,800円(税込)〜
- 「M3 Max」 → 538,800円(税込)〜
- MacBook Pro 16インチ
- 「M3 Pro」 → 398,800円(税込)〜
- 「M3 Max」 → 454,800円(税込)〜
Apple、鬼すぎる。
イヤになるくらい絶妙なラインナップ
今に始まった話ではありませんが、最近のAppleはラインナップが絶妙にズルい。
というのも、Appleシリコンのスペックが向上してきた今。
大体のユーザーは「M3」チップで十分すぎだからです。
だからこそ「M3 Proくらいあったらいいかも・・・層」を引き込むためのズルすぎる策略。
前述した通り、「M3」→「M3 Pro」のスペック差は結構デカい。
差額は8万円以上あるわけですが、下手にM3を選んでも後悔しそうな予感がしてきます。
更に、MacBook Proには「HDMI」や「SDカードスロット」も搭載しています。
MacBook Airで十分でもまだ発売していないし、MacBook Proにするか・・・となる人も少なく無いと思う。
「MacBook Pro」にあって、「MacBook Air」に無い、主な機能は下記。
- Liquid Retina XDRディスプレイ
- ProMotionディスプレイ
(最大120Hzのリフレッシュレート) - 「HDMI」と「SDカード」スロット
不思議・・・Proが欲しい良い気がしてくる・・・
Apple、鬼すぎる。
iMac(M3チップ搭載)
また「M3チップ」は、iMacにも搭載されます。
- iMac 24インチ
- 「M3」 → 198,800円(税込)〜
こちらも本体ボディーはそのまま
こちらも本体の仕様は変わらず。
これまでに発売されていたのは、M1チップ搭載のiMacでした。
M2チップをすっ飛ばして「M3」チップが搭載されています。
ただしスペックから考えても、現状M1 iMacを使っている方が買い替えるのは微妙。
ちなみに、最低スペックでの価格差は、下記の通り。
スペックアップで、4〜6万の価格アップです。
- M1チップ搭載 iMac(2021年〜)
- 8コアCPU、7コアGPU → ¥154,800〜
- 8コアCPU、8コアGPU → ¥177,800〜
- M3チップ搭載 iMac(2023〜)
- 8コアCPU、8コアGPU → ¥198,800〜
- 8コアCPU、10コアGPU → ¥234,800〜
正直なところ、性能の向上より価格の高さが気になります。
もしこれからMacを購入したくて、iMacを買うという方なら、M1 iMacで全然いいと思う。
M1チップの性能を舐めすぎ感。
M3シリーズMacは買うべき?
最後にこれまでの内容を踏まえて、M3シリーズMacは買うべきか?をまとめます。
下記3つの条件で分けて考えます。
- intel Macユーザー
→ 買うべき(だけどM1かM2が安い) - M1 Macユーザー
→ 微妙 - M2 Macユーザー
→ 買うな
結論からすると、「M3」チップシリーズのMacは結構ビミョウだと思う。
intel Macユーザーは、買うべき
現状intel Macを使っている方なら、M3 Macはかなりいい買い物になると思います。
ただし、ネットサーフィンくらいしか用途が無いならわざわざ「M3」を選ぶ必要はありません。
僕は「M1 MacBook Air」を使っていて、10万円ほどと一気に安くなります。
もしくは、デザインも良い「M2 MacBook Air」という選択肢もかなりアリ。
「M3」のコスパはビミョウだと思うので、「M1」「M2」がおすすめ。
性能もこれで十分すぎるし。
「M1」「M2」のスペックは、こちらでも深掘りしています。
M1 Macユーザーは、買ってもいいけどコスパは微妙
僕自身M1 Macユーザーですが、買い替えてもいいところだけどコスパは微妙。
とにかく高すぎ。
僕は「M3 MacBook Air(仮称)」を待機する予定。
M2 Macユーザーは、買う必要なし
現状M2 Macを使っている方であれば、ぶっちゃけM3に買い替える必要は無い。
以上。
まとめ:円安でスペックの向上より価格の高さが目立つ
これまでの内容では、下記のAppleシリコンを比較してきました。
- 「M3」チップ シリーズ
- M3、M3 Pro、M3 Max
- 「M2」チップ シリーズ
- M2、M2 Pro、M2 Max、M2 Ultra
- 「M1」チップ シリーズ
- M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultra
新色の「スペースブラック」がM3 MacBook Proに出てたら買ってたかも。
ってか、もう少し円安も130円台までは落ち着いてくれ。
Apple信者なのにお布施できない・・・
しばらくは大人しく、M1 Macでゲームを遊んでます。
まぁ、十分楽しいしこれでいい。
これからMacデビューする方なら、「M1」チップか「M2」チップのMacBookで十分だと思います。
制作をガンガンやる方ならProも要検討、というのが現状。
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