Macで立ち絵を動かすの、無理なのかぁ…
と思っていたのですが、
思ったより簡単にMacで立ち絵が動かせた話をまとめました。
具体的には何が出来たか?というと、
ボイスロイドの音声から、立ち絵(psd)の口パク・目パチ・ポーズ指定、字幕の作成まで可能。
それでいてなんと、ありがたいことに無料。
導入は正直あまり簡単とは言えませんが、解説動画もサクサク作れるようになる革命的な便利さは魅力。
琴葉姉妹をお借りして、実際に作成した動画はこれ。
※音声が出るのでご注意を
さて、流れはざっとこんな感じ。
- Macで動かせるボイスロイド(音声合成ソフト)は?
- DaVinci Resolveに「りぞりぷと」を導入する
- 「りぞりぷと」でボイスロイド音声を投げ込んで、字幕を作成する
- 「りぞりぷと」で立ち絵を動かす
- 「A.I.VOICE 2」向けの設定
動画編集ソフトには、Mac版「DaVinci Resolve」の無料版を使います。
少しとっつきにくいですが、何でも出来る優秀なアプリです。
ちなみに今回は、Macで「A.I.VOICE 2」の琴葉 茜・葵 姉妹の音声を投げ込み(動画編集ソフトに並べる)、立ち絵を動かすのが目標です。
(AmazonとDLsiteで、たまたまセールになっていたので人柱的な購入済み・・・)
そもそも:Macで使えるボイスロイドは?

そもそもですが、Macでどのボイスロイド(音声合成ソフト)が使えるのでしょうか?
この際なので、ざっとまとめてみました。
VOICEVOX以外は有料ですが、有料なだけにキャラクターは魅力的…。
- VOICEVOX
- ずんだもん
- 四国めたん
- 春日部つむぎ
- 東北きりたん
- 東北ずん子
- A.I.VOICE 2
- 琴葉葵・茜
- 結月ゆかり
- 紲星あかり
- 伊織弓鶴
- 音街ウナ
- VOICEPEAK(未検証)
- 重音テト
- 小春六花
- 宮舞モカ
- 彩澄しゅお
- フリモメン
VOICEPEAKは検証できてませんが、アプリ要件を見たところ使えそうです。
諸事情(主に金欠)のため…すみません………!
下記3つのファイルを書き出せる音声合成ソフトなら、Macで立ち絵を動かすことが出来ます。
①:wav(音声ファイル)、②:txt(テキストファイル)、③:lab(発音情報ファイル)
一方で残念ながら、現状ではゆっくりボイスを使うのは難しそうです。
こちらで検証してみたMac対応アプリは下記。
- MYukkuriVoice
- AquesTalkPlayer
どちらのアプリも、「txt」「lab」ファイルを書き出すことはできず、断念しました。
お気になる方は、「wav」「txt」「lab」ファイルの3つが書き出せるアプリを探してみてください。
それらさえ書き出せれば、後述する「りぞりぷと」から立ち絵を動かせるはずです。
どうしてもという方は、「Parallels Desktop」というアプリを使う他ありません。
Mac内でWindowsを動かすアプリです。

MacでWindowsゲームも動かせるアプリ「Parallels Desktop」が、セール開催中。
いつ終わるのかも不明な期間限定のようで、気になる方はお早めに。
- 割引率:50%オフ
- 対象期間:不明…!!

VOICEVOX

VOICEVOXは、言わずとしれた無料の音声合成ソフトです。
Macでも動作します。
ずんだもんや四国めたんはもちろん。
最近(2025年7月)では東北きりたん・東北ずん子にも対応しました。
YouTubeショートの解説動画で無限に流れてくる、四国めたん・春日部つむぎの他、青山龍星なんてのも使えます。
どれもきっと一度聴いたら「あぁ…これか…」となるはず。
A.I.VOICE 2

個人的に、実は対応していてとても嬉しかったのが「A.I.VOICE 2」。
Macで使えるのは知りませんでした。
琴葉 茜・葵 姉妹・結月ゆかりさん・紲星あかりさん等が使えます。
やったね。
有料ではありますが、AmazonかDLsiteのどちらかは大体セールになってる印象。
セール中に買っておくのがおすすめです。
2種類の声が使えてオトクな気がする琴葉姉妹。
関西弁が絶妙で、Macで使えると知って即買いしました。
こちらも定番なゆかりさん・あかりさん。
おっとりした雰囲気ですが、最近ではゲーム実況なんかでもご多忙なイメージですね。
ゆかりさん・あかりさんよりも、もう少し落ち着いた声の伊織弓鶴さん。
こちらも定番です(が、なんかあまり人気が無い気もしないでもない…)。
ちなみにA.I.VOICE(無印版)を使うには、なぜかA.I.VOICE 2の購入が必要なようです。
なんだか意味不明ですが、公式サイトにはこう書いてありますね…。
「A.I.VOICE2 Editor」しかMacに対応してないんですね。
A.I.VOICE2 Editor で A.I.VOICE(無印版) の MacOS 用ボイスライブラリを利用することができます。
この機能を利用するには A.I.VOICE2 のボイス(有償)をインストールし、アクティベーションが完了している必要があります。
体験版の A.I.VOICE2 ではご利用いただけません。
Mac版DaVinci Resolveと「りぞりぷと」で立ち絵を動かす

さて、Mac対応の音声合成アプリ・動画編集アプリ(DaVinci Resolve)だけでは、立ち絵を動かすことはできません。
DaVinci Resolveに「りぞりぷと」を導入する必要があります。
簡単に言ってしまえば、プラグインのようなものです。
このような流れでご紹介していきます。
- 「りぞりぷと」で出来ること紹介
- 「りぞりぷと」の導入(使用例:VOICEVOX)
- A.I.VOICE 2を動かすための設定
少し大変ですが、横着しなければ割と簡単に出来ます。
※私は余計な横着をしてしまい余計に時間がかかりました…
完成形はこのようになっています。
※タイムラインが見やすいよう、少し拡大しています
内容は、音声の投げ込み・字幕の作成・立ち絵を動かす…といった操作です。
「りぞりぷと」で出来ること
「りぞりぷと」は、有志の方(てきと氏)の作成した、Davinci Resolveの拡張機能・プラグインですね。
Macにも対応しています。
何が出来るかというと、前述の通りこんなことが出来ます。
しかもなんと無料、ありがたや…。
- 音声合成ソフトから、DaVinci Resollveに音声を投げ込み
- 音声に合わせた字幕も作成
- 音声から立ち絵(psd)の口パクを作成
- ポーズ指定もできる
ざっと見れば分かる通り、極限まで省力化されていて最高。
導入に手こずったとしても、その価値は十分あります。
導入手順は後にするとして、一旦は実際に使ってみましょう。
VOICEVOXでも良いのですが、せっかく課金したのでA.I.VOICE 2から琴葉姉妹を使ってみます。
(適当に)こんな会話を用意しました。

A.I.VOICE 2から、音声を書き出します。
なんだか色々とファイルが書き出されました。

さてこれらの音声ファイルを、DaVinci Resolveに投げ込んでみましょう。
今回使うりぞりぷとの「Voice Droper」という機能(画面左にあるヤツ)から、「import」で音声を選択。
ほいっ。

ざざざざっと、DaVinci Resolveタイムラインに音声の投げ込みが完了し、色付けまでしてくれています。
(動画で見ると分かりますがサクサク並びます)

見ると分かりますが、音声に合わせた字幕まで並んでいます。
もちろん字幕は任意の設定に変更可能です。


ついでなので立ち絵を並べて、音声に合わせて口パクもさせてみます。
立ち絵をタイムラインに敷き詰めておきます。

りぞりぷとから「口パク」をポチり。
リンクさせる立ち絵と音声を選択して「apply」をポチり。

茜さん・葵さんの両方で、この操作をやっていきます。
すると、立ち絵の素材はいい感じ(音声の有る部分と無い部分)にカットされました。
これで口パク・目パチも適応されています。

このままだと動作が重いので、動画として事前にレンダリングしておきます
※Macユーザーは、透過できて高速なApple ProRes 4444が良さそう

一度動画としてレンダリングした立ち絵も、元に戻すことができます。
真っ黒は少し寂しいので、背景に例の床の間を入れておきます。
またここの部分は、ポーズも付けてみましょう(画面右上から)。

レンダリング前の立ち絵は、右上の「ジェネレーター」でポーズを付けられます。
具体的には、主にこれらの項目が設定できます。
- モーション
- りぞりぷと側で作成されたモーション(動き)が付けられる
- 例:ぽよんと跳ねる動き、震える動き…等
- ポーズ
- 立ち絵(PSD)で読み込んだ、差分のポーズ調整
- 例:目・腕・汗…等
- 目パチ
- 頻度やタイミングの調整
- 立ち絵の大きさ・位置
立ち絵素材(PSD)は、レイヤーが分かれているかと思います。
りぞりぷとでも、その通りにポーズを変えることができます。
そんなこんなで出来上がったのが、こんな動画でした。
これ以上無いほどに省力化されていますね。
こ、これが無料だと………!?
「りぞりぷと」の導入
さて、早速導入していきたいのですが、到底ブログ(というか文章)ではお伝えできない情報量でした。
てきと氏のアップロードしてくださっている動画か、GitHubのREADMEを参照するのが手っ取り早いでしょう。
READMEはこちら。
この記事では、動画を使った導入方法をメインに扱います。
動画はVOICEVOXが前提となっていますが、後にA.I.VOICE 2向けの設定を紹介します。
まずは一度VOICEVOXで動かしておくのがおすすめです。
参照すべき動画は、最低でも3本あります。
※Macには途中で対応したのと、追加された機能が便利なため
それぞれの役割はこんな感じで、上から順番に視聴するのが個人的にはおすすめです。
丸投げですみません。
- 【DaVinci Resolve】Mac版仕様変更【りぞりぷと2.4.2】 → 動画はこちら
- りぞりぷとを導入するのに必要な手順
- この動画を参照にpythonをインストールする必要あり
- 【DaVinci Resolve】【解説】ずんだもん・めたん・目パチ・口パク・動画の作り方【りぞりぷと】【VOICEVOX】 → 動画はこちら
- りぞりぷとの導入は、大体この動画をベースに
- ただし、PSDを扱う内容(目次「PSD Splitter」と「立ち絵」)のみ、以下③の内容にアップデートされている
- 【DaVinci Resolve】PSDを立ち絵に変換するツール【りぞりぷと2.8.0】 → 動画はこちら
- ②よりも簡単に、高速でPSDを動かすツール
- これでも動作が遅かったら、PSDのサイズを小さくしよう
動画①。
りぞりぷとインストールの、前提となるpythonのインストールが分かる動画。
最初の手順は、こちらの動画を参照に、pythonのインストールから始まります。
とはいえ、コードを自分で書いたりはしないのでご安心を。
動画②。
全体の流れが分かる動画。
というわけで、全体の概要を掴むためには、この動画が必須です。
ただし、最初の部分がWindows向けなのと、PSDを扱う内容についてはこの後の動画を参考にしましょう。
この動画では、本格的にりぞりぷとをDaVinci Resolveに導入していきます。
動画内01:27〜の「PSD Splitter」、04:55〜の「立ち絵」は使わず、次の動画(③)を参考にしましょう。
動画③。
アップデートされた、PSD(立ち絵)を動かすツールについての動画。
PSDを動かすツールは、動画②ではなくこちらを使いましょう。
簡単に、しかも高速で動きます。
A.I.VOICE 2を動かすための設定
りぞりぷとの導入編では、VOICEVOXを使いました。
一応の目標は「A.I.VOICE 2の琴葉 茜・葵姉妹の音声を投げ込み、立ち絵を動かす」でしたね。
A.I.VOICE 2向けの設定も見てみましょう。
一覧にするとこうなっています。
ここまで来たらもうすぐです。
- A.I.VOICE 2の書き出し設定
- りぞりぷとの「Voice Dropper」設定
まず「A.I.VOICE 2」側の設定です。
「アプリケーション設定」から、書き出しの部分をいくつか変更しておきます。
下記の画像の通りに、設定しておきましょう。

特に重要なポイントはこれ。
- テキストファイルを音声ファイルと一緒に保存する
- チェックを入れる
- 音素情報ファイルを音声ファイルと一緒に保存する
- チェックを入れる
- 一括書き出しの動作
- テキストブロックごとにファイルに書き出す
- ファイル名の指定方法
- ファイル命名規則を「{Number=3}_{Character}_{Text=10}_{HHmmss}」に設定
ファイル命名規則ですが、特にこだわりが無ければこうしておきましょう。
先頭の数字や、キャラクター名についてはほぼ必須です。
次に、りぞりぷと「Voice Dropper」側の設定です。
りぞりぷとにはA.I.VOICE 2用の設定ファイルが用意されていません。
Voice Dropperのキャラクター設定に、必要なキャラクターの設定を入れておきましょう。
画像では、琴葉姉妹のキャラクター設定を入力しています。

半角の有り・無しも左右するので、何パターンか試しておく必要があるかもしれません。
まとめ:Macで立ち絵を口パク・目パチさせてみよう【VOICEVOX / A.I.VOICE2】

振り返ると、内容はこんな感じでした。
無事Macでも立ち絵が動かせましたかね。
- Macで動かせるボイスロイド(音声合成ソフト)は?
- DaVinci Resolveに「りぞりぷと」を導入する
- 「りぞりぷと」でボイスロイド音声を投げ込んで、字幕を作成する
- 「りぞりぷと」で立ち絵を動かす
- 「A.I.VOICE 2」向けの設定
使ったアプリ類を再度まとめておきます。
A.I.VOICE 2の琴葉姉妹。
動画編集ソフト「DaVinci Resolve」。
最後に、DaVinci Resolveのプラグイン「りぞりぷと」。
開発してくださったてきと氏に感謝!

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